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2012年3月 4日 (日)

ハリー・チャールズ大いに語る③

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「前回は、レコード・セールスマンとしてのお話をお聞かせいただきましたが、本日はタレント・スカウトとしての御活躍ぶりを御伺いいたしたいと・・・。」
「よっしゃ。ワシの睨んだ通り、その後パラマウントは黒人レーベルの『ブラック・スワン』を統合し、メイヨー・ウィリアムスという黒人を実質上のタレント・スカウト兼プロデューサーとして迎え入れて黒人音楽レーベルとして確固たる地位を築いたわけじゃが・・・・。」

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「あ、そのメイヨーさんですけどね、以前に語ってもろたことがあります。ところでパラマウントがブラック・スワンを吸収したという当時の記事ですが、ブラック・スワンのオーナーのペイス氏は、パッと見た所、白人みたいな容貌ですね?どうでもええ話ですが・・・」

「その後のブラインド・レモン・ジェファーソンの“ロング・ロンサム・ブルース”の爆発的ヒットによってて生じたメイヨー・ウイリアムズとアーサー・ライブリーとの対立がきっかけで、ワシがタレント・スカウトとして活動するようになるっちゅうわけや。」

「といいますと?」

「実の所、メイヨー・ウィリアムズは上の記事に書いてあるような正式なパラマウント社のレコーディング・マネージャーでは無くてな。個人的にタレントを見つけて来てレコーディングを行い、その報酬としてレコード売り上げのロイヤルティーやら著作権なんかをパラマウントから受け取るという立場で活動してたんや。正式なレコーディング・マネージャーはモーリス・サパーという人やったが、『メイヨー・ウィリアムズのお陰で順調に儲かってるし、社員としてのサラリーを支払う必要も無い。別にわたしが口出す事もあらへんがな』という態度を取ってはったんや。」

「ほほう」

「ところがやね。そのサパーさんの後任者として登場したアーサー・ライブリーがメイヨー・ウィリアムズにとって代わろうとする野心的な男やってな、そこから話がややこしなってきたんや。

Photo

アーサー・ライブリー

実は、ブラインド・レモンを売り出すように言ってきたのは、ダラス担当のアシュフォードという男やったんや。その申し出をうけたライブリーがレモンのレコードを発表した所が空前の大ヒットとなり、その後のオッサン弾き語りスタイル全盛を迎えるに至るわけや。」

「それまでの女性による劇場スタイルというか所謂クラシック・ブルースからカントリー(田舎)ブルースへの転換という事ですね?たしか1926年の5月やったと記憶してますが。」

「そう言う事や。ところがこの結果、ライブリーは一流のプロデューサーとして一躍世間の脚光を浴びるようになりメイヨー・ウィリアムズと張り合うようになったな。」

「火花を散らすライバル関係になっていったと・・・?」

「そのすぐ後に、メイヨーの側もブラインド・ブレイクを発見して対抗し、両者の間は、いよいよ抜き差しならない緊張状態に発展していったわけや。ま、メイヨーの方はそうでもなかったけど、ライブリーの側は嫉妬とやっかみもあって『私の方がメイヨーより売れるタレントをスカウトしてレコーディング出来る自信があります。正式な社員でもない黒人に金を出すのは会社にとっても無駄ですがな。全部わたくしめにお任せあれ。レモンの様な南部のタレントについては、私の方がメイヨーより詳しおます。』てな事を上層部に再々訴えよったな。」

「ほほう。」

「たしかにメイヨーはエリート黒人で、シカゴの都会的な音楽状況には精通してたが、南部の黒人タレントについてはほとんど知識も無かったけど、ライブリーも実の所は似たようなもんでな。ここだけの話、黒人音楽そのものを密かに嫌ってるような男やったで。」

「さよか?そうすると例の3000番代ヒルビリー・シリーズを始めたのもライブリーさんですけ?」

「そうゆうことや。ま、それはともかくそんな事情で、ライブリーから『ハリー君。誰ぞ南部の方で売れそうな黒人タレント見つけて来てくれないかね』と頼まれてね。ワシも本格的なスカウト活動に励むようになったという次第や。あ、言い忘れとったが、1923年にルシール・ボーガンをオーケーに世話したった経験もあってな。自信を持って承諾したんや。」

「その第一発目が、ボーウィーヴィル・ジャクソンになるわけですね?」

「そうそう。」

「しかし、おたくさまも、いきなり最初から他の会社と二股かけるとはエエ根性してますな。」

「ははは。」

「と言う事で、本日は歴史的なブラインド・レモン・ジェファーソンの『ロング・ロンサム・ブルース』をお聴きいただいて。次回へとつづきます。」

「あれ?もう終わり?もうちょっと語らせてもらわんと・・・。」

「私もちょっと疲労気味でんねん。すんまへん。」


YouTube: 'Long Lonesome Blues' BLIND LEMON JEFFERSON (1926) Texas Blues Guitar Legend

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コメント

バビさん おじゃまします

いやあ(^_^)凄いスピードでのUP
お疲れ様でおます

少しずつ、背景、時系列が、素人には、ややこしくなってきましたが
過去の記事へのジャンプでなんとか
ついていけそうでおます(^_^;)

しっかし、、、メイヨーさんのお名前が、、、名誉って!(;一_一)
つぼにはまりました、

おじゃましました  では股

お疲れのトコロご苦労さまどスん

ややこし話をまたもや引っ掻き回した
アーサー・ライブリーっちゅうおっさん
ガメコそーな顔してはりますネぇ
(オヌシもワルよ 野ぉ)
え、ドクたはんと似てるぅ? shadow
(そ・そんなぁ・・・)。

ばびさん、おひさしぶり~。
わてが投稿するとテンションさがる~?
自分のパソコン新調しましたが、
ブログのマイページにアクセスの仕方忘れたなり。
新しく作るのも面倒なり~。
ちょっと、訪問いたしました。

おいやんさんへ>
お返事遅れてすみません。
この時代のレコード産業のドロドロした関係(今もそうかも?)は複雑でっせ。drama

ドクたはんへ>
純真無垢なドクたはんとは対極をなすオッサンですわ。ライブリーさん。無口な人やったらしいですが陰険な性格ですね?この人fish

わてダさんへ>
テンション下がるもなにも、上がりっぱなしですがな。
ブログの方も拝見いたしました。今から各方面に告知いたします。いや~目出度いscissors

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